2003年10月9日その2
ヒューストン洪水編

さて,ヒューストン国際空港(IAH)に到着しました.着陸する際に見た景色は, やけに道路を走る車のヘッドライトの反射光がテカテカしているなぁ???と思って既に暗くなった景色をみていました. 空港に到着するも,あちこちで雨漏りしている.なんかボロい建物だなぁ・・・としか思っていませんでした.

今日は,空港近くのモーテルに1泊(1泊65USD)するだけで,明日,NASAへ行く予定だ.最初のでぃなーはブ厚い肉を食べようかな.と考えています.まずはレンタカーを拾いに行きます.ヒューストンではレンタカー各社が終結しているレンタカー・ターミナルなるものがあり,空港からは共通のシャトルバスが走っています.コレに乗ってレンタカー・ターミナルへ.

Kunyはハーツの#1 Club Gold会員になっているので,自分の名前表示に従い,そのまま直接駐車場に止めてある車へ乗ってもよい.手続きナシ!駐車場を出るときに運転免許証とレンタル契約書を見せるだけでOK.なんて便利なんだろう.いつもは家族連れなのでミニバンを借りていたのだが,今回は独身気分な二人旅.普段乗ることのない2ドアスポーツクーペにしようと,車高の低いFORD MUSTANGを車種指定しておきました.この「車高が低い」が後で仇となってしまうのだけど・・・


まずは自分の名前表示をさがす.
止めてある車に乗り込んで走り出してよい.

真っ赤な新車のMUSTANG.森へぃさんも御満悦.
しかしこの後に待ち構える運命は・・・?

車のところへ行ってみると真っ赤なマスタングが止まっていた.総走行距離が3000miles位の新車といってよい状態です.まずは車に乗ってライトの位置など操作系をチェックする.で,あらかじめモーテルの住所をナビに入力しておく.空港から約5分くらいの道のりなので迷ってもそんなに時間はかからないだろう.では出発ぅ〜!!!

まずはモーテルにチェックインしてからステーキハウスにでも行くかなぁ.と考えながら空港近くのハイウェイを走ると・・・

WARNING HIGH WATER AHEAD

の文字が.確かに強い雨が降っていたし,深めの水たまりがあるだろうからスピード控えめにしておこうかナ?とゆっくり走る.この時点でHIGH WATERが洪水をさすものだとはつゆ知らず.

だんだんと水溜りがつながって行き,道路が川のようになってゆく.ここは空港直結のハイウェイなので片側3車線Uターンするとことはないし側道にもでられない逃げ場のない状況.そのうち車も渋滞が始まる.気づくと道路には20〜30cmの水があふれてきた。ほとんど洪水状態!

車高の低いマスタングだからヤバいよなぁ・・・と思い,マフラーから水を吸わないように空ぶかし気味に走行.路面が若干高くなっている左斜線は渋滞中.止まったらヤバイ.ということで渋滞する左車線をはしらずに,若干水深の深い右側車線を突っ走ることに.でも水深がどんどん深くなってしまい(40cm位?),ついにはエンスト. ゴボゴボゴボ・・・(怖)マフラーから水が入った模様.再起不能.ヤベ!やっちまったぁ〜

改めて周りを見ると,あちこちで再起不能な車が多く,すごい状況だ.レッカー移動されてゆく車も結構多い.そうしているうちに,私の車にも水が浸水してきた・・・足が濡れるぅ〜〜(驚)

われに返り,とっさにハザードをたいて,AAAの電話番号を探すが,こういうときに限ってメモした紙がなかなか見つからない.車から脱出できなくなるとシャレにならないので,とりあえず電気系統がイカれる前に窓を全開にしておく.雨が吹きかけるがこの際しょうがない.次に荷物を後部座席の上に全て退避.パスポートなど大切なものは胸ポケットに突っ込む.運良く,レッカー車が横を通ったので,「たすけてぇ〜!」と叫ぶ.レッカー車が止まってくれる.

レッカー 「大丈夫か?」
Kuny 「ダメだよ〜.エンジンかかんねー.引っ張ってくれない?」
レッカー 「既に2台牽いてるから無理だけど,無線で応援だのんどくね」
Kuny 「お願いしまーース」
レッカー 「もう少し待ってナ」

AAA呼ばないとタダにならないけど,ま,いいか.まずは助けてもらうことが先決か.待つこと数分でレッカー車到着.しかし水かさがどんどん深くなってくる(怖).どうやら近くの川が氾濫したようだ.水深はドア高さの真ん中くらいまで(50cm以上)になってきた.横をピックアップトラックが通過するとボートが通ったように波が立ち,車がチャポチャポ揺れるんだ.したがい,ドアを開けると一気に水が入ってくるので,ドア開けられず.悪いと思いながら窓越しでレッカーおじさんと会話する.(ドア閉めてると意外と水入ってこないのね)

レッカー 「引張ろうか?」
Kuny 「よろしくたのんます〜」
レッカー 「お前の車はFRかい?」
Kuny 「そーだよ」
レッカー 「じゃぁ,ハンドルまっすぐにして,キー抜いて,ロックして.シフトはPね」
Kuny 「了解」
レッカー 「これ,レンタカー?」
Kuny 「うん.空港のハーツまで連れてってくれる?」
レッカー 「わかった」

このレッカー車,結構すごい.自動でタイヤの下へアンカーをもぐりこませ,後輪タイヤをロック.そのまま後ろが持ち上げられたなぁ・・・と思いきや,すでにレッカーされてゆきました.その間数分間のできごと.このレッカー車があれば,数分で車を持ってゆかれちゃいますね.レッカーされてゆくとき,THIEFという警告表示されていた.確かに盗まれている(笑)


レッカー車(イメージ図)
実際はシアトルで撮影

ってな感じで,そのまま空港のハーツまでレッカーされて行きました(恥).まだ空港から3miles位しか走ってないのにぃ!そういえば写真撮っておくんだった!しまった.写真撮る余裕がなかったよぉ.

で,レッカー会社の請求が150USD.これがそのままハーツへまわりました.車のダメージやレッカー代は保険(LDW)でカバーされるらしいです・・・が,この手の保険って天変地異(洪水含む?)は免責のような気もするのが怖いところ.後で確認してみよう.

そのままハーツのカウンタへ行き,事故報告書を書く.で,保険範囲の確認と代車の手続きをしなくてなならん.カウンタのねぇちゃんだと心配なので,マネージャに対応してもらうよう言うと,人のよさそうな黒人おばちゃんが出てきた.

ハーツ 「大変だったねぇ」
Kuny 「もうビックらこいたよ.洪水なんて.事故報告書はこんなもんでいいの?」
ハーツ 「OKですよ」
Kuny 「コレ,すべて保険でカバーできる?レッカー代も」
ハーツ 「問題なくカバーできます」
Kuny 「ホント?」
ハーツ 「本当です」(といいながら書類にサイン)
Kuny 「で,代車なんだけど,同じ車を明日午後3時まで借りたいんだけど・・・
 でも今日は運転する自信ないから明日の朝pick upでいい?」
ハーツ 「そうなると新規契約になるので2日分かかってしまいますよ」
Kuny 「でも今,車を乗り出して,また水没させちゃったらシャレになんないよ?
 さっきだって15分も運転していないのに.俺,悪くないし・・・でしょ?」
ハーツ 「そうですね.では,今日の分と明日の分のレンタル代を半額にします」
Kuny 「でも,それだと保険代が2日分かかっちゃうよね?保険代結構高いんだよなぁ」
ハーツ 「じゃぁ,こうしましょう.今日の予約はキャンセル扱い.カードには返金.
 それで今から1日分の新規予約としましょう.同じ料金で」
Kuny 「お!ソレいいねぇ.ではそうしてください.でも,今日は宿に迎えに来てもらうから
 あくまでのPickupは明日の朝にしたいのですけど,一晩停めといていい?」
ハーツ 「では車を一度従業員用駐車場に移します.キーは持っていってください.
 通常は貸出後の責任はお客さんにあるのですけど,保険入っているので,まぁいいでしょう.
 明日の朝,直接乗り出してください.書類にはそう書いておきます」
Kuny 「今夜は,車はハーツの責任.キーだけ私の責任ということですね?」
ハーツ 「そうです.で,車種はなににします?洪水だとSUVとかピックアップがいいと思いますよ」
(と高い車を薦めてくる.さすがはマネージャー営業?)
Kuny 「うーーーん.同じマスタングでチャレンジしてみるよ(笑)」
ハーツ 「ははははは.気をつけて!」

その後,マネージャ氏と一緒に車を従業員用のスペースに移動して,キーをもらう.車のダッシュボードには「明日8時に取りに来る」というメモとマネージャ氏のサインが書かれた紙が置かれた.駐車場出口で見せる書類にも同様のメモとサイン.明日,ここから乗り出せばよいというわけだ.万事OK.

で,空港へのシャトルを待つ間に,予約していたモーテルに電話して
「水がすごいよーー!車で行けないから,キャンセル料免除でキャンセルして!」
とダメ元で話すもOKとのこと.らっきー.

空港の宿泊案内の看板で,地図をチェックしながら空港近くで洪水地域と反対側にあるモーテルを片っ端から電話.3軒目で空室ありを確認.値段もまぁまぁ(69USD).シャトルサービスもアリ.そのままそのモーテル(Sleep Inn)へ飛び込む.Sleep Innにはコンチでミスコネクトになった客が割り振られていた.チェックインで並びながら周りの客とダベってました.

Kuny 「ミスコネしたんですか?」
「そうよ.コンチってケチだから宿泊代もってくれないのよ」
Kuny 「え?そうなの?NWだと出してくれたよ」
「ほら...コレ」(といいながらコンチ・ディスカウントという紙を見せてくれる)
Kuny 「ホントだ.1泊39USDなんだ.この紙コピーさせて!(爆)」
「ダメよーーー(笑)」
Kuny 「ところで晩飯代もでないんだよね?」
「そうなのよ」

といいながらモーテルに置いてあるデリバリー系の広告を見ながら大相談会.ピザは飽きたとか,中華がよさげとか・・・我々の米国初のディナーはブ厚い肉を食べようかと思ったのですが,結局は宅配ピザになってしまいましたとさ(悲)

ふぅ,疲れた.

部屋でTVニュースを見ると,今日はすごかったらしい.なんでもトルネード(竜巻)が6本も発生し,オフィスビルなどに被害.局地的な大雨で各地が洪水.「ピックアップトラックですら水没」とも言ってました.


TVニュース.各地でトルネード発生.

結局,ドミノの宅配ピザに・・・
Update : Oct 23, 2003